高橋アスレティックトレーナーインタビュー(2)

 

【スポーツ現場での対応】

 Q:様々な運動部の生徒さんをご覧になられているかと思いますが、ケガの多い種目は具体的になんでしょう?

A:やはりラグビーが多いですね。骨折や脳震とうなど、重度が高いものが多いです。

ケガ人の人数だけのカウントですと、1位は高校ラグビー、2位は高校サッカー、3位は高校アメフト、4位は中学ラグビー、5位は高校男子バスケです。

発生率、ではないので必然的に部員数が多い部は人数が多くなります。

 

Q:保護者やそして現在では指導者の方も、「スポーツ現場で重大な事故はめったに起こらない」と思っている方もまだ多いのかな、と感じます。日本の学校における部活動での危機管理意識、という視点でお話を伺わせてください。

A:学校における危機管理意識、生徒の安全、というのは先生方は非常に高く持っていると思います。

しかし、スポーツの技術やトレーニングに対する意識が不足していて、今行っている練習がのちのちケガに至るかもしれない、という危機意識が少し足りないかな、と思います。

 

Q:先生方にそこまで求めてしまうのも難しいでしょうか?

A:そう思います。まずは教師であり、勉学を教えるのがお仕事ですから。そして今の先生方は非常に忙しいです。ですから、最近では外部指導員、という形で部活に外部から指導員を入れて行っているところも徐々に増えつつあると思います。それは先生方の負担を減らすためにもいいことじゃないかな、と思います。

 

Q:万が一における備え、についてはどうでしょう?EAP(エマージェンシーアクションプラン)についてはいかがですか?

A:学校での活動は文部科学省で厳しく決められており、結構迅速に対応できていると思います。明らかに救急車、というものに対しては連携よく対処できていると思います。

 

【日米との比較】

Q:アメリカのアスレティックトレーナーの資格を持つ高橋先生は、アメリカに行かれる事も多いかと思います。学校やスポーツ施設における現場での安全管理において、日米の違いや日本が参考とすべきシステムがあれば教えてください。

A:アメリカに限って言えば、セキュリティと呼ばれる警備担当の職員がいます。トランシーバーを持って状況をやり取りしています。また、警官がいることもあります。危険なアメリカならではですが、そこにコストをかけているのは良いと思います。

スポーツにおける安全確保、の前に、銃や不審者に対する危機管理が重大事項として取り上げられている、というのは当然といえば当然でしょう。

 

Q:アメリカの高校や大学には必ずアスレティックトレーナーがいますか?

A:もちろん、日本よりも進んでいますが、アメリカでも全部の学校に、というわけにはいかないようです。雇えるものなら雇いたい、けれど財政的に難しい、というのが現状です。事実、スポーツ自体がカットされているところもあります。

ただ、ディビジョン1(日本で言う、スポーツ強豪校)クラスの大学では、危機管理のため、というより、勝つためには必ずアスレティックトレーナーが必要である、と考え、配置している学校がほとんどですね。

 

【事前準備について】

Q:トレーナーのいないスポーツ現場では、ケガの対応はコーチや保護者が基本対応していると思います。万が一に備えて身につけておいてほしいスキルや知識、事前に準備しておくべきことはなんでしょう?

A:スポーツにおいてはどんな外傷やケガがあるのかなど、市販の本などを読んでおいてほしいと思います。捻挫や打撲、傷などの対処ができるように道具を揃えておくこともお願いしたいですね。

Q:具体的にはどういうものですか?

A:基本は「氷」ですね。そしてその氷を入れるビニール袋や、それをとめるアイシングラップやバンデージなど。あとは傷をカバーするもの一式でしょうか。

 

Q:現在の学校では製氷機はだいたいあるものでしょうか?それとも先生が準備されるのでしょうか?

A:最近では試合会場のほとんどで氷が用意されていますね。まぁ一般的な四角い氷ですが。

 

 

 

 
 
(先生のトレーナーズルームには、細かい氷が準備されていました。)
 
 
 
 
 
 

 

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