高橋アスレティックトレーナーインタビュー(4)

 

【保護者の関わり方について】

Q:年代別における、子どものスポーツ参加への親の関わり方についてアドバイスがあればお願いします。

A:

小学生時期⇒まず無理強いをしない、ということ。そしてお弁当や送迎でサポートをしてあげる。子どものプレーに対して、とやかく言わない。

中学生時期⇒基本、口を出さない、そして上手くなることに集中できるようサポートを。親が子ども以上に勝ち負けにこだわってしまうのは間違い。勝敗ではなく、プレー自体の上達方法などにフォーカスを。

高校生時期⇒食事、洗濯、そしてお金。

 

Q:お金、ですか??

A:そうです。別にお小遣いをいっぱいあげてください、ということではないですよ。(笑)

子どもたちが安全にスポーツに参加できるよう、用具、というのは非常に重要なのです。例えば、靴。合わない靴や、安い靴などは、結果的に痛みや故障の原因になるのです。ですから、そこにお金を惜しんでほしくないのです。また、頭を守るヘッドギアやヘルメットもそうです。

以前、アメフト部で脳震とうを繰り返す生徒がいました。ヘルメットのグレードを上げれば起こりにくくなるのではないかと思ったので新しいものを購入してもらいました。自分の身体を守るものですから、誰かからもらったり、安いもので済まそうとしないでほしいのです。その生徒も、ヘルメットをきちんとしたものに変えてから、全く脳震とうを起こさなくなりました。

 

Q:アスレティックトレーナーは、ヘルメットにおけるフィッティングのプロフェッショナルである、というのを聞いたことがあります。

A:その通りです。きちんとした教育を受け、選手にとって正しいヘルメットかどうかの判断ができます。

 
Q:親としては、アスレティックトレーナーと一緒にヘルメットを買いに行けたらどんなに安心か、と思いますが(笑)・・・実際には親と子どもでお店に行くことになると思います。その際、安全なヘルメット、子どもに合ったヘルメットというのはどういう基準で選べばいいですか?

A:まず良いものは値段に比例します。最高級のものを購入する必要はありませんが、最安値の中から選ぶのは避けてほしいです。最安値と最高値の間くらいで良いでしょう。お店やメーカーが「脳震とう予防に優れた製品」と謳っているものであれば、さらに安心だと思います。

 

Q:靴、においてももう少し詳しく教えてください。

A:実は、僕は「足」が得意分野なんです。資格も持っています。(*米国公認ペドーシスト)

*ペドーシスト:足部に疾患のある患者に対してケアを行えるように教育、訓練を受けたヘルスケアの専門家。装具なども作成する。

良い靴を選ぶことは非常に重要です。良い靴を選ぶには3つのポイントがあります。

①つま先からきちんと曲がること

②かかとにしっかりサポートがあること

③捻りにくいこと

 

(詳細については動画にて説明していただいています。動画一覧ページはこちらです。高橋先生の欄をご覧ください。)

 

Q:保護者の関わり方に話を戻らせていただいて、アスレティックトレーナーが部活にはいない環境において、我が子が安心して部活動に打ち込めるよう、親としてできる事や子ども自身ができることなどはありますか?

A:自分が入る学校や部活においての情報収集はしておいた方がいいと思います。そして子ども自身が、どのくらいのレベルを希望しているのか、というのも知っておくほうが良いでしょう。

具体的に説明しますと、強豪校(全国でベスト8に入るくらい)は基本、部内ではかなりのプレッシャーがあると覚悟していく必要があります。その覚悟があり、その中で活躍してやがてはトップレベルやプロで極めたい、と思っているなら、そういう学校を選ぶべきです。

しかし、そういう覚悟があまりなく、とりあえず体を動かしたい、「楽しく」好きなスポーツができるくらいでいい、という気持ちの子どもが強豪校の部活に入ってしまうと、その3年間は本人にとって辛い経験となる可能性があります。それならば、全国は狙えないがプレーする機会がたくさんあり(強豪校ではレギュラー争いが激しく、試合に全く出ることがなく3年間が終わってしまう、ということは往々にしてある。)、先輩や指導者からのプレッシャーがそれほど強くない学校に行くべきなのです。

もちろん、その反対もあります。

ガンガンレギュラー争いをして、どんどん活躍したい!と本人が思っていたのに、実際入ってみたら部活の顧問の先生はほとんど練習に来なかったり、部員たちのモチベーションも高くなく、「楽しければいいじゃん!」という部であれば、それは違う選択をしてしまった、ということになります。

 

Q:それは事前に調べることができますか?

A:是非希望とする学校の部活動を事前に見学されることをお勧めします。先輩の”つて”を使ったりしても良いでしょう。実際の雰囲気や先輩後輩の関係性、練習での顧問の対応など、可能な限り情報収集をしておきましょう。

 

Q:本人に強い意志があればおそらく自分で決められるのでしょうが、特に中学3年生くらいですと、まだ子供な部分が多く、「よく分からないけど・・・」「とりあえずここでいいんじゃない?」「いいよ、別にここで・・・」など、本人も自分が本当にどうしたいのか、ということをよく理解していないのでは?ということがあると思います。

本人の選択を尊重したい気持ちはありますが、親として「本当にその選択は我が子にとってベストなのか?」と悩むこともあるかと思います。そのようなときの対応について何かアドバイスがあればお願いします。

A:もちろん、まだ未熟な部分もあるかと思いますが、最終決断は親ではなく子供本人が行うべきです。

親子で悩んでしまっているような場合は、シュミュレーションをしてみてはいかがでしょうか?A校は運動部がかなり有名で、毎年ベスト8には出ている強豪校、レベルの高い指導は受けられるし、全国出場の機会も高い。しかしプレッシャーも強く、練習も厳しくかなりの努力をしないとレギュラーにはなれない。

B校はそれほど有名ではないが、入部してある程度頑張ればレギュラーが取れる可能性は高い。プレーする機会も増えるが、全国出場は難しく、レベルの高い指導を受けられるとは言い難い

自分はどちらを希望するのか?未来予想図を親子で具体的に描いてみるのです。

 

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