理学療法士/アスレティックトレーナー 

原田長先生 原田先生インタビュー②

<アスレティックトレーナーというプロフェッショナルについて>

Q:原田先生は、PT(理学療法士)とAT(アスレティックトレーナー)の両方の資格をお持ちですが、なぜでしょう?

A:若かったころは、やはりトップレベルのスポーツ、例えばオリンピックや国体ですね、に関わりたいと思っていたので、両方の資格を持っていた方がいいかな、と思いました。

また、理学療法士の教育課程ではまだスポーツ障害や外傷について取り上げる時間は少ないのです。自分の知識をさらに増やすためにも、トレーナーの資格を取りたい、と思いました。

 

Q:アスレティックトレーナーがスポーツ現場にいることのメリットは何でしょう?また、現場で最も必要とされるスキルは何でしょう?

A:まずは、選手の生命に関わるような事故に対して、適切かつ迅速な対応ができる、という事だと思います。

スポーツにおける外傷や障害の対応であったり、予防だったり、そういうものに対応できるプロフェッショナルが入ることで、選手達にとってより良い状態で練習や試合に臨めるのはもちろんですが、指導者の方々にとっても、戦略やスキルアップの指導に集中できるようになるので、それもメリットの1つだと思います。

 

現場で最も必要とされるスキルは、CPR(一次救命+AED)はもちろんですが、コミュニケーションスキルだと思います。

アスレティックトレーナーは、コーチや選手、そして保護者と上手くコミュニケーションを取らなくてはいけません。

コーチが選手に求めていること、そして選手が目指していること、それらを中立的な立場と、そしてスポーツ医科学の知識を持って対応できるのはアスレティックトレーナーだと思うのです。

 

Q:保護者もアスレティックトレーナーがいてくれたら本当に安心だと思うんです。

A:そう言っていただけると嬉しいです。

保護者の方も、子どもの健康面やケガのことなど、コーチに言いづらい事や不安なことは相談してくれればいいですし。

ただ、トレーナー達も、今後学校の運動部サポートを活動の1つとして視野に入れるのであれば、ジュニア期の身体のつくり、成長発達に関する知識、ジュニア期に注意すべきスポーツ障害について、もう一度学ぶ必要があると思っています。

 

Q:今サポートされている中学校のバスケ部の保護者の方からの反応などはいかがですか?

A:これがありがたいことに、「安心して子供たちを部活に参加させることが出来ています」というお声をいただくことがあって、嬉しい限りです。

もちろん、顧問の先生や校長先生もトレーナーの活動について理解してくださっていて、保護者の方に説明してくださっているから、だと思うのですが、これまではあまり選手の親、との接点はなかったのです。しかし、ジュニア期の選手を見る、ということはそうか、保護者の方々の安心にもつながるのかな、と。

 

Q:それはもちろんあると思います。スポーツの現場に子ども達の健康や安全を見てくれているプロがいるなんて、こんな安心なことはありません。試合などにも帯同されるのですか?

A:できる範囲で帯同するようにしています。

 

<スポーツの安全管理について>

Q:保護者やそして現在ではまだ指導者や保護者も「スポーツ現場で重大な事故はめったに起こらない」と思っている方もまだ多いのかな、と感じます。日本におけるジュニアスポーツでの危機管理意識、という視点でお話を伺わせてください。

A:いわゆるケガ(捻挫等の運動器疾患)に関することへの意識(予防や初期対応)に関してはずいぶん変わってきていると思います。

ただ、頭頸部の外傷、熱中症などに関してはまだまだ不十分だと思います。どうやって情報を得ていいか分からないのが現状なのかとも思います。

 

 

Q:悲しいのですが、スポーツ事故や事件は国内でも起きています。このことに対して、その予防策や対応策についてご意見があればお聞かせください。

A:やはり各競技団体が明確な指針を示していくことが大切かと思います。つい最近ですとアメリカンフットボール協会でも暑熱下での試合や練習に関して指針を出しています。あとはこれをどのように運用していくかが大事だと思います。

 

Q:高校や中学の部活動における生徒に対してのケアや安全面の管理は十分だと思われますか?

A:まだまだ不十分です。あとは、顧問の先生によるのかな、とも思います。

 

Q:子ども達が安心して、そして安全な環境で学校の部活動に参加するために、私は親としてアスレティックトレーナーが学校に配置されてくれればいいな、と思うのですが(もしくはアスレティックトレーナー部)、原田先生はどのように感じられますか?

A:全く同感です。スクールトレーナーですね。

アスレティックトレーナー部、というのは大学のシステムをそのまま高校や中学にスライドすることは不可能ではないと思います。

 

Q:あとはそのアスレティックトレーナー部に入りたい、という生徒がどれだけいるか、ということでしょうか?

A:そうですね。

 

Q:学校の養護教員の先生方に、トレーナー的役割を担ってもらうのはどうか?というアイディアもでたのですが、その考え方はいかがでしょう?

A:養護教諭の先生達は保健室以外の業務もかなりあると伺っています。やはり理想はPTやATが常駐もしくは巡回できればいいと思います。

 

<親の役割>

Q:トレーナーや医師が存在しない少年団や部活動において、子ども達の安全を確保するためにできる具体的な取り組み方法や期待する役割などがあれば教えてください。

A:まずは、全ての大人たちがCPR、一次救命を実施できる、という事、最低限の応急処置ができることでしょう。そして指導者との連携、情報共有ですね。

 

Q:子どものスポーツ参加における親の重要な役割とは何だと思われますか?

A:とにかく安全に楽しめる環境を提供してあげてください。

 

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