アスレティックトレーナー/柔道整復師 安部氏インタビュー(2)

<親の関わり方について>

Q:年代別における、子どものスポーツ参加への親の関わり方についてアドバイスがあればお願いします

A:例えば野球ですと、小中学校でいえば、まず軟式か硬式の選択肢があります。軟式クラブであればチーム数も多いので学校など近所での活動がメインになりますが、硬式クラブは近所にチームがない場合自転車、電車、車での送迎が必要になることもあるようです。総じて硬式のほうがレベルが高い場合が多いですね。

中学では軟式は学校での毎日の部活動、硬式は週末メインで練習・試合があるのでやはり活動場所・時間を検討する必要があります。

小学生のクラブであれば父親が実際にチームのコーチとして関わることも容易です。

両親共に父母会に参加して、試合や練習日にドリンクや食事の用意、活動を観察して積極的にチーム内での子供の育成に目を向けていただきたいですね。

子供の健康に関してはチームのコーチ・スタッフだけでは把握しきれません。

 

Q:子どものスポーツ参加における親の重要な役割とは何だと思われますか?
A:その活動が子供にとって心身ともに健全で安全なのかを判断し、積極的に意見を交換し組織作りに参加することです。技術的なことや起用法など一線を越えてチームに干渉することは良くないと思いますが。

 

Q:トップやより良い選手を目標としている子ども達が、小さいうちからしておいた方が良いことや習慣などはありますか?

A:なぜスポーツをしているのか本人自身に考えさせること、自身のチーム内での役割、技術や練習方法、身体の使い方・作り方など勝つために必要なプロセスを考えさせ、その楽しさを理解してほしいです。

 

Q:ケガをしにくい身体作り、として親ができる事などありましたら教えてください。

A:まずは食事でしょうか。5大栄養素をバランスよく提供するとか、水分補給や食事時間を習慣付けることは大切だと思います。私自身、子供の頃は食が細く偏食がちで身体も小さくケガが多いほうだったので、今思うともっと食生活を工夫できたのにという思いがあります。

 

<スポーツ現場の安全について>

Q:日本国内のスポーツ現場とアメリカのスポーツ現場の大きな違いは何だと思われますか?

A:ひとつ挙げるならば、土地・用地の広さ・数でしょうか。アクセスの良さ、混雑度、使用料とか。

野球に関して言えば、硬式ボールが使える球場が国内では少なく練習場所を確保するのに少々苦労しているようです。

 

Q:国内におけるスポーツ医科学の普及は十分だと思われますか?

A:自分の子供を安心してスポーツに参加させられるか、と考えるとまだまだ不安要素が多いですね。

 

Q:国内のスポーツ、特に部活動がより良い環境になるには何が重要だと思われますか?

A:Periodization*の意識がまだまだ十分ではないのでは?と思います。

 

*periodization・・・ピリオダイゼーション:トレーニングや練習内容を目的に合わせて年間で計画し、実行していくこと。簡単に言えば、トレーニング/練習メニュー年間計画。年間の大きな計画を立てた後、月間、そして週間、1日の練習やトレーニングメニューを構築していく。

 

シーズン制を取り入れるのはまだまだ難しいのかもしれませんが、きちんと休む期間、というのも設ける必要があるのでは?と思いますね。

 

Q:トレーナーのいないスポーツ現場では、ケガの対応はコーチや保護者が基本対応していると思います。万が一に備えて身につけておいてほしいスキルや知識、事前に準備しておくべきことはなんでしょう?

A:まずはチーム内での共通ルール・確認事項(EAP)を組織として徹底してほしいです。重篤な事故にはすぐに救急車を呼ぶ、無理に移動させないなど。

できれば安全講習や救命救急の基礎に関しては受講していただきたいです。

また、アスレティックトレーナーもそうであるように、やはりコーチも資格制度が徹底されるべきだと思います。

サッカーやテニスなど、一部のスポーツではそのような制度が確立しつつあるようですが、全ての競技団体でそうあるべきだと思います。

自分自身の経験だけではなく、コーチングのスキルを学び、資格を取らないと指導はできない、というようになるべきです。

 

Q:学校の運動部指導、顧問体制についてはいかがですか?

A:学校の教員になる上で、部活の顧問を担当することもある、のであれば、やはり教職課程の中で最低限のコーチングの知識などを得る時間があってもいいですよね。

 

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