10)ウォームアップとクールダウン

2013年10月22日 15:33
スポーツ障害の最も効果のある予防策は、適切なウォーミングアップとクーリングダウンにある!と言っても過言ではありません。
 
◆ウォームアップ ・・・ いきなりトップギアにいれず、軽いジョギングやストレッチなどで心拍数を上げ、筋肉を温め体をほぐし、心身ともに、”今から体を動かしていくぞ!”という準備をさせる目的。
 
筋、関節、神経を刺激し、関節可動域を広げ、ケガを予防し、パフォーマンスを向上させるために行う。
(引用文献:アスレティックトレーナー養成講習会教本)
 
・筋肉に血液を多く送り込む。・・・安静時は、血液は主に脳や内臓に集中していて、運動を始めると、血液が筋肉へも多く流れ始めます。それを徐々にゆっくり行うことが大切。
 
運動開始直後、横腹を押さえている子どもを見かけませんか?または、練習を開始してすぐ、”気持ち悪い” と言ったり、”頭がクラクラする” という場合、急に動き始めたことが原因の場合もあります。(他の要因もありますから注意します。)
 
・関節の柔軟性を上げる・・・運動中は、日常生活以上の関節の動きをします。その準備として、より大きな動きをしても対応できるよう、関節の可動域をストレッチによって広げます。
 
*ウォームアップに適した動き
・ウォーキングから始め、少しずつ動きを大きくしていきます。両手を大きく回したり、股関節を回したり、もも上げを歩きながら行ったり・・・(一般的にはブラジル体操のような動きが有名でしょうか・・・。)
 
その後、少しずつスピードを上げ、ジョギング、サイドステップ、バックジョギング(後ろ向きでのジョグ)、サイドクロス、両足ジャンプ・・・などを行います。
 
体温を徐々に上げ、ダイナミックストレッチ やスタンディングストレッチ(立った状態でのスタティックストレッチ)を行います。
 
運動を始める前のストレッチなので、スタティックストレッチはできれば立位で行うのが理想ですが(座ってしまうとリラックスしてしまう)、立位で伸ばすのが難しいものは、座位で行っても良いでしょう。
 
*ダイナミックストレッチ・・・多少勢いをつけて可動域を広げていきます。関節周囲の筋肉をスムーズに動かし、関節内にある潤滑油的存在の ”滑液” を活発に分泌させる効果があります。ウォームアップのストレッチに適しています。
 
*スタティックストレッチ・・・勢いをつけずに、一定の方向に時間をかけて行う一般的なストレッチ方法です。”痛、気持ちいい”程度がちょうど良く、呼吸を止めず、伸ばしているところをしっかり意識して行います。どちらかというと、クールダウンに適したストレッチです。
 
 
◆クールダウン ・・・ 激しい運動を急に止めるのではなく、徐々に心拍数を落とし、ゆっくりとしたストレッチで筋肉をほぐして疲労を軽減させるのが目的。スポーツ障害予防として、非常に大切!
 
筋の緊張を緩和し、短縮した筋肉をトレーニング前に戻す。
 
それぞれ適した動きやストレッチの種類(ダイナミックストレッチ、スタティックストレッチ)があります。
 
・血液を徐々に内臓に返していく。・・・運動中に筋肉へ多く流れた血液を、ゆっくりと心臓や脳、その他の内臓にもどしていくことで、めまいや失神を防ぎます。
 
・疲労物質の除去。・・・筋肉をやさしく動かしたり(軽いジョグや、ストレッチ)、刺激する(軽いマッサージなど)ことで、筋肉内に溜まった疲労物質を取り除くことが期待できます。 
 
研究では、運動後軽い運動を15分前後行うことにより、疲れの原因となる乳酸の除去率が約2倍も速まる、という結果が出ています。(アクティブクールダウン)
 
・筋肉の緊張を減少させる。・・・運動中に酷使した筋肉はパンパンに緊張しています。ストレッチを行うことでその緊張を解き、筋肉の損傷の回復を助ける、と言われています。
 
*クールダウンに適した動き
 
・徐々に心拍数を落としていきます。ジョギングから、ウォーキング、使った部分をストレッチする、など。
 
・心拍数が平常に戻ってきたら、時間をかけて1つ1つの大きな筋肉から順にスタティックストレッチで伸ばしていきます。
 
子供達だけで行わせると、遊び半分で反動をつけて行ったり、お互い競争をしたりするので注意が必要です。
 
”僕、ここまでつくんだよ~。すごいだろ~!” など。
ストレッチは競争ではなく、自分自身が気持ちよく伸びているかを確認しながら行うよう、低学年のうちからしっかり指導しましょう。
 
また、低学年の子どもは特に、ストレッチの”格好だけ”を真似することが多いです。
 
どの筋肉を伸ばしているのか(もも裏なのかお尻なのか、胸なのか肩なのか、など)、伸ばしているのが分かっているのか、確認する必要があるでしょう。(入部して間もない頃にしっかりと教えておくのもポイントです。)
 
また、じっくりと時間をかけることによって、スタティックストレッチ中に、夢中で動いているときには感じなかった痛みや違和感を発見することもできる、という利点もあります。
 
加えて気候に応じてクールダウンの内容にも変化をつけるとよいでしょう。
 
例えば・・・ 
 
・夏の暑い時期でしたら、スポーツドリンクを補給しながら、日陰で行う。
 
・冬の寒い時期には、汗が引いて寒くならないよう、上着を着て行う。 など。
 
 *成長期の子どもたちは、筋肉やそれを骨につなげる腱、関節内の靭帯などは骨に比べて強く、過度の運動によってさらにそれらの組織の緊張が高まります。
 
  逆に骨は成長軟骨の存在や成長スピードが遅いため、未熟です。そのため、運動後、その都度、筋肉などの緊張をほぐしておかないと・・・
 
筋肉などの組織が必要以上に緊張する 
         ↓
骨との付着部に繰り返しのストレスがかかる
         ↓
骨自体や関節に痛みや炎症がでる ・・・ スポーツ障害の原因となる
 
という図式が簡単にできてしまうため、クールダウンは非常に大切なのです。