11)低体温症

2013年10月21日 08:45

暑い時期のスポーツ活動も注意が必要ですが、寒い時期でもその気温に気をつけなければいけません。


今回は、寒い時期の練習時に気をつけたい 低体温症についてお話します。

「低体温?!よほどの極寒地や山の中とかの話でしょ? 平地じゃそんなの起こらないんじゃない?」 いえいえ、マイナス何十度、という環境でなくても低体温症は起きます。


実際にこんなこともありました。

『北海道のとある高校野球部が部活動の練習のために屋外にてジョギングをしていたところ、低体温症の症状が数人に出て、病院に運ばれた』 

その際の天気は、小雪がちらつき、氷点下4度という気温でした。運ばれた部員達の症状は、ランニング中にしゃがみこんだり、歩けなくなったそうです。

幸い運ばれた部員達全員は無事回復し、退院したそうです。

比較的体力のある高校生でもそのようなことがあるのですから、さらに小さい小学生や幼児達は注意が必要なのは言うまでもありません。

 ◆低体温症って?
 全身が寒冷な場所に長時間さらされ、体温が35℃以下に低下した時に様々な障害が生じてくることを指します。体温が33℃以下になると、意識障害などが現れます。

早期に適切な処置がほどこされないと、生命の危機を及ぼすこともあります。

 ◆どんな症状?
 子どもの場合、一番顕著に現れるのは、唇の色や顔色の変化です。血の気が引き、青かったり、紫色に変化したりします。

(軽度の症状)
・震え → ガタガタ、ブルブルと震える、口がうまくまわらない、など
・手足のかじかみ →靴紐がうまく結べなくなったり、ボールのキャッチなどができなくなる、ボタンが上手く着けたりはずしたりできなくなる
・動作が鈍る、遅くなる、よろける →バランスが取れなくなり、動きが悪くなります
・無気力、眠気 →ぼーっとしたり、あくびを繰り返したりします

(中程度~重度)
・意識の混濁、震えが止まり硬直する、意識消失、意味不明なことを言う、など

[何度以下になると低体温症を発症しやすいの?]
何度から・・・という確実なデータは少ない(外気温だけでなく、風の強さやその子の体調などにも左右されるため)のですが、3~5度以下から低体温症に注意する必要がある、といわれています。

しかし、外気温が5度以上あっても、風が強い、運動している服装が適切でない(薄着)、風邪気味や体力不足、寝不足、エネルギー不足(食事の欠如)・・・などの要因があると、低体温症になる可能性はあります。

また、やせ気味の子や、もともとの体力があまりない子などは、寒さへの耐性が低いので気をつけます。

 ◆予防方法は?
 まずは、温かい服装で練習に望むこと。アンダーをタートルネックのものにしたり、スパッツやタイツ、ネックウォーマーや手袋などの着用も効果的です。

汗をかいた後、濡れたまま冷気にさらされると低体温になりやすいので、クールダウンや練習後のミーティングを短めにしたり、着替えをしたあと暖かい場所に移ってするなど、ちょっとした配慮で予防することができます。

また、体調がすぐれない(風邪気味、お腹の調子が悪いなど)場合に寒い場所での練習は身体にかなりの負担を課しますから、無理せず休みましょう。

空腹で運動を行わないことも予防法の1つでしょう。朝起きて何も食べずに朝練に行く・・・ ということがないようにしたいものです。

 ◆万が一低体温症の症状が見られたら?
 まずは早期発見、早期対応で症状の悪化を防ぎましょう。軽症の症状を見過ごさず、その症状が見られたら、まずは暖かい場所を見つけてそこへ移動させます。

周りに何もなければ車の中でも良いでしょう。(車内を暖かくしてください。)もしくは、近くのコンビニなど。

間違っても寒いグランドサイドや冷たい体育館で練習が終わるのをじっと待たせるようなことはしないようにします。

(室内へのすぐの移動が難しい場合、保護者に連絡をし、迎えに来てもらい帰宅させましょう。保護者が迎えに来るまで、なるべく暖かくできる努力をします。状態が悪化したらすぐに119番を!)

衣類が濡れていれば脱がせ、乾いたものに着替えさせます。着替えがなければ濡れているアンダーを脱がせるだけでも良いでしょう。

靴下などがビチャビチャに濡れていたら脱がせます。脱がせて寒がるようなら、大人の履いている靴下を履かせてやりましょう。

暖かい毛布などがあれば全身をくるみ、 カイロなどがあればそれも使用して体温をゆっくり上昇させましょう。

反応が鈍い、意識の混濁がみられる、などの中程度以上の症状まで悪化してしまった場合は、すぐに119番をします。

救急隊が到着するまで、身体の保温に努めます。

低体温による事故・・・ 冬山の登山や冬海でのダイビングだけが発症しやすいスポーツではありません。

体温調節がまだ上手くできない子供達は、暑さ同様、低温への耐性が低いです。

大人に比べて保温の役目をする皮下脂肪の量も少ないですし・・・

サッカーや野球など、この時期動いているときは良いですが、試合中など、控えの選手としてベンチサイドで寒い中、もしくは強風もある中、長時間じっと座っていることもあるかと思います。

子どもの様子を注意してみてあげてくださいね。