4)脳震とうについて(頭部外傷2)

2013年10月20日 18:59

頭部を強打して、頭を痛がったり、吐いたりする行為がみられたら、"脳震とう" を疑います。 

 

ではまず、脳震盪って何?から始めましょう。

脳震とう、とは、脳が頭の中で激しく揺さぶられて起こる、様々な神経障害のことです。


脳震盪は一過性のものなので、しばらく安静にしていれば回復する場合が多いですが、場合によっては脳挫傷や脳内出血を起こしていることもありますから、慎重な対応が必要です。

◆脳震とうの原因って?

主に強い外力によって、脳が瞬時に大きく揺さぶられて起こります。 ラグビーでのタックル時などが多く、サッカーではヘディングの争い時、または、頭部からの落下などで、起こります。コンタクトスポーツで多く見られます。

しかし、脳震盪によって何故、神経混乱が起こるのか、というのははっきりとはしていません。

◆どんな症状なの?
(軽度)
・意識消失、健忘なし。     
・軽度の頭痛
・耳鳴り 
・軽度のめまい(それが時間とともに悪化しない)
・すべての症状が1分以内に回復
(中程度)
・30分以内の記憶喪失    
・耳鳴り
・2分以内の意識消失または障害
・中程度の頭痛    
・幻覚、かすみ、2重にぼやける
・吐き気、嘔吐          
・大部分の症状は5分以内に改善される
(重度)
・2分以上の記憶消失または障害  
・30分以上の記憶喪失
・重度の頭痛、吐き気、耳鳴り、めまい、幻覚

Q:対応はどうすれば?

頭部外傷の可能性を疑ったなら、コートの外まで一人で歩かせない!!ということを守ってください。

「大丈夫、大丈夫」 ・・・ と立ち上がって歩き始めても、その後、ふらついて倒れ、致命傷を負ってしまうこともあります。受傷者の近くまで行き、歩けそうなら、支えながらコートの外へ!

そして、脳震とうの症状が1つでもあれば、プレーは中止し、医療機関への受診が必須です。

緊急性がなければ、プレーは中止し、様子を注意深く観察します。

スポーツ現場では、脳震とうなのか、その他の頭部外傷(脳内出血など)なのか、の判断は難しいです。 最初は軽い脳震とうの症状でも、時間が経ってから意識がなくなる場合もあります。

また、頭痛もひどくなく、吐き気もない場合でも、しばらくしてから症状が悪化する可能性が脳震とうにはあります


◆スポーツ復帰の目安は?
まずは、医師による運動の許可がでていることが大前提です。

軽症な脳震とうでも、2回目であれば、大人でも最低2週間は運動は禁止です。(その間、脳震とうの後遺症が全くでない、というのも条件。)

3回目であれば、そのシーズンはスポーツへの復帰は禁止、というのがアメリカ神経学会による方針です。

生命を脅かす脳損傷として、頭蓋骨骨折、脳挫傷、頭蓋内出血があります。

これらの外傷は、軽度から中程度の脳震盪の症状が伴う、とされています。そしてその後、明白に意識が正常化したり、はっきりする間があります。

その後、一気に悪化することがあるため、脳震盪の程度に関わらず、医療機関を先ず受診、ということを怠らないようにしましょう。


★脳震盪で注意が必要な、セカンドインパクトシンドロームについて。

セカンドインパクトシンドロームとは?

日本名では、二次的衝撃症候群と言います。 一度脳震盪になった人間が最初の症状が完全になくならないうちに二度目の頭部外傷を受けて発生します。

◆何がこわいの?
比較的軽い脳震盪のようであったため、きちんとした確認をせずにプレーを行ってしまい、その最中に頭部へ打撃を再び受けた場合、その衝撃が軽いものであっても、その後死にいたることがあるので、注意が必要なのです。

◆原因は?
最初の脳震盪の症状が回復しないうちにプレーに参加し、脳が腫れた状態でプレーを行ってしまったことによります。

◆予防法は?
とにかく、程度が軽くてもまずは医療機関を受診させ、プレーに戻ってよい時期を医師にきちんと確認することです。