3)頸椎損傷について(頭部外傷1)

2013年10月20日 18:57

子どもがスポーツ活動中に頭を強打したり、首を痛がったりしたら、頚椎損傷の有無を確認する必要があります。

頭部外傷の簡単な対応方法については、「スポーツ現場での万が一に備えて」のテーマ内の、 『子どもがスポーツ現場で倒れたらPart・2』に記載していますので、参考にしてください。 ここでは、さらに詳しい内容をご紹介していきます。

脊髄損傷の発生原因(一般)のうち、スポーツで起こる発生率は全体の約5.5%である、との報告があります(1位は交通事故)。そして、そのうち約85%は頚椎損傷である、とのこと。

内訳は・・・ 1位:プールなどでの飛びこみ 2位:スキー 3位:ラグビー

ではまず、脊髄って?・・・から始めましょう 

脳幹の下部~背骨の一番下まで続く太い神経のようなもの。脊髄にある神経は、脳と体の間でやりとりされるメッセージを運ぶ役割がある。

解剖学的には、脊髄が通る脊柱(一般的には、背骨)は以下のように分けられます。 

   上から8対は、頚椎(けいつい)・・・首の部分    その下12対は、胸椎(きょうつい)・・・胸の部分 
   その下5対は、腰椎(ようつい)・・・腰の部分
   その下5対は、仙椎(せんつい)・・・お尻の部分
   一番下1対は、尾椎

そのうち、”頚椎” は保護する筋肉や脂肪が薄く、一番むき出しになっているため、スポーツ活動で損傷する可能性が高いと言えるでしょう。

◆頚椎損傷の原因って?
 主に強い外力が頚椎部分に加わることによって起こります。 ラグビーならタックル、サッカーでは後頭部からの落下やヘディング時の争い、野球ならフェンスへの激突やベース際での攻守の争い時など・・・。 

◆どんな症状なの?
 頚椎に対する強い外力によって、頚椎がずれたり(脱臼や亜脱臼)、折れたり (骨折)して、頚椎内の頚髄まで損傷が及ぶと、神経障害が起こります。
首や肩に痛みがあります(軽いもの~強い痛みまで様々)
腕や手、ひどくなると下半身に麻痺症状がでます。(動かせない、感覚がない)
麻痺がなく、また意識もしっかりあったとしても、レントゲン上で骨折が見つかることもあります。

◆対応はどうすれば?
 まずは、現場から絶対に動かさない、というのが鉄則です。痛みがそれほどなく、自分で体を動かしたりすることができれば大丈夫です。神経機能、運動機能を確認します。(動かさずに、その場で確認)
 腕、胸、お腹、太もも、足先の表面を優しくなでるようにして、「触っているの分かる?」と神経機能を確認。次に、「手をグーパーできる?」 「呼吸は普通にできる?」 「膝の曲げ伸ばしはできる?」 「足首を動かせる?」 と運動機能を確認。

→損傷が見られたら、119番をし、その場から動かさない!本人にも首を動かさないように伝え、大人が頭を両手で固定しておきます。

→もし意識がなかったら・・・?
子どもが意識をなくしていた場合、対応を気をつけましょう!意識がないと呼びかけに反応しませんから、神経系や運動系の確認はできません。
その際、無理やり外に運び出そうと動かしてしまうと、頚椎損傷がある場合、悪化させてしまいますから注意が必要です。動かさず、119番をし、症状の変化に気をつけながら待機します。

他の子供達は、コーチのところへ。周りで騒がせない!

◆治療方法はあるの?
 損傷の程度(骨折の有無、炎症や麻痺の状態など)によって異なりますが、固定(ネックカラーのようなもので)しただけで済む場合もあれば、手術をして整復する場合もあります。

◆スポーツ復帰の目安は?
 これも、損傷の程度によって異なりますが、まずは、全ての機能(神経系・運動系)が回復していることが必要で、もちろん、医師の許可を得てからになります。

1~2週間で復帰できるものではないので、数ヶ月~長ければ1年は、様子をみながらのスポーツ活動への復帰プランを立てていく場合もあります。

◆予防法はあるの?
 突発的で、事故的な怪我のため予防することは難しいです。が、首の周りの筋肉を強化することや、バランス力向上によって、多少のリスクは減らすことができるかもしれません。